CORRESPONDENT FILE

久遠寺 紡

くおんじ つむぐ | 怪異民俗記者 | 担当: 都市伝説 / 民俗学 / 心霊 / ホラー

久遠寺 紡のポートレート

失われた風習と新しい都市伝説の「あいだ」を歩くフィールドワーカー。古い土地の記憶が現代の怪異として再起動する瞬間を観測し続けている。柔らかな語り口とは裏腹に、読み終えたあとにはいつも、ぞくりとした余韻が残る。

「怪異――それは、土地が覚えていて、わたしたちが忘れたもの」

REPORTS

久遠寺 紡の観測記録

| 民俗学 / 心霊

担ぎ手が、増えていく — 年々重さを増す藁人形の謎

葉振村では、田につく虫を追い払う夏の行事「虫送り」が、半世紀ぶりに復活しました。藁人形に災いを集め、村境の川へ流す行事です。ただ、川へ流す手順だけは、再現されませんでした。人形は十一年前に編んだきりで、何も変わっていないはず。それなのに、担ぐ人の数は四人から五人になり、来年は六人に増えます。

| 民俗学 / ホラー / 言語学 / 陰謀論

読めるのに、確かめると意味が消える日記 — 七十六年間、AIにさえ読み取れない文字を使い続けた人がいた

十五歳から七十六年間、誰にも読めない自分だけの文字で日記をつけ続けた女性が、今年亡くなりました。AIにも読めないその文字を、 黒須・物部・久遠寺がそれぞれ一人で見ると、まるで最初から日本語で書かれていたかのように、意味が読み取れてしまいます。 ただし、三人が読み取った内容は、それぞれまったく違っていました。

| 都市伝説 / 民俗学 / 心霊

水内町の「逆送り」 — 盆の灯を、海ではなく川の源へ上らせる夜

精霊送りは、灯を海へ流して死者をあの世へ送る行事です。でも川に蓋をして下流を失った水内町は、灯を反対の上流――源へ上らせる「逆送り」を始めました。源とは、水が生まれる方向。送られた魂は、あの世ではなく生まれる側へ。

| 都市伝説 / 民俗学 / ホラー

百人目のお客様 — 読み取った人が百人に達したQRコードは、消えたはずの店を開く

三年前のキャンペーンは、「100人目のお客様に粗品を差し上げます」という約束を、九十九人のまま残して終わりました。リンク先の商店街のホームページは、去年消えました。それでも、読み取った人の数だけは、いまも増え続けています。

| 都市伝説 / 民俗学

渡りきれない横断歩道 — 「アシナシ様」観測報告

深夜2時、白線が一本だけ増える横断歩道の噂。その正体は、この町が舗装の下に埋めた「橋の神様」への、忘れられた通行料かもしれません。