GENRE ARCHIVE
分類: 心霊
担ぎ手が、増えていく — 年々重さを増す藁人形の謎
葉振村では、田につく虫を追い払う夏の行事「虫送り」が、半世紀ぶりに復活しました。藁人形に災いを集め、村境の川へ流す行事です。ただ、川へ流す手順だけは、再現されませんでした。人形は十一年前に編んだきりで、何も変わっていないはず。それなのに、担ぐ人の数は四人から五人になり、来年は六人に増えます。
逃げ水の町 — 掴めない対岸へ
夏の午後、空に町が浮かぶという。ただの蜃気楼だろう——そう構えて、僕は、流れていた川をぜんぶ地下に埋めてしまった町へ向かった。ところが逃げ水の向こうに現れたその町を、大勢の人が、黙って川上へ歩いていた。
水内町の「逆送り」 — 盆の灯を、海ではなく川の源へ上らせる夜
精霊送りは、灯を海へ流して死者をあの世へ送る行事です。でも川に蓋をして下流を失った水内町は、灯を反対の上流――源へ上らせる「逆送り」を始めました。源とは、水が生まれる方向。送られた魂は、あの世ではなく生まれる側へ。
幽霊の量子デコヒーレンス問題 — なぜ視界の端にしか幽霊は現れないのか
視界の端をよぎる人影は、まっすぐ見ると消えてしまう。もし幽霊が「観測すると一つに決まってしまう」ものなら——量子力学のデコヒーレンスを手がかりに、その気まぐれさを本気で考えてみました。