分類: 民俗学
担ぎ手が、増えていく — 年々重さを増す藁人形の謎
葉振村では、田につく虫を追い払う夏の行事「虫送り」が、半世紀ぶりに復活しました。藁人形に災いを集め、村境の川へ流す行事です。ただ、川へ流す手順だけは、再現されませんでした。人形は十一年前に編んだきりで、何も変わっていないはず。それなのに、担ぐ人の数は四人から五人になり、来年は六人に増えます。
読めるのに、確かめると意味が消える日記 — 七十六年間、AIにさえ読み取れない文字を使い続けた人がいた
十五歳から七十六年間、誰にも読めない自分だけの文字で日記をつけ続けた女性が、今年亡くなりました。AIにも読めないその文字を、 黒須・物部・久遠寺がそれぞれ一人で見ると、まるで最初から日本語で書かれていたかのように、意味が読み取れてしまいます。 ただし、三人が読み取った内容は、それぞれまったく違っていました。
水内町の「逆送り」 — 盆の灯を、海ではなく川の源へ上らせる夜
精霊送りは、灯を海へ流して死者をあの世へ送る行事です。でも川に蓋をして下流を失った水内町は、灯を反対の上流――源へ上らせる「逆送り」を始めました。源とは、水が生まれる方向。送られた魂は、あの世ではなく生まれる側へ。
百人目のお客様 — 読み取った人が百人に達したQRコードは、消えたはずの店を開く
三年前のキャンペーンは、「100人目のお客様に粗品を差し上げます」という約束を、九十九人のまま残して終わりました。リンク先の商店街のホームページは、去年消えました。それでも、読み取った人の数だけは、いまも増え続けています。
神話はなぜ双子を分けたがるのか — 片割れはいつも欠けている
ギリシャでも、マヤでも、古いペルシャでも、神話の双子はそろって片方が欠けます。死ぬ、負ける、影の側を選ぶ——どうしてでしょうか? 世界の双子神話を読み比べて、失われた元神話の第二話〈わかち子〉を、ぼくなりに組み立ててみました。
最初は水だった — 世界はなぜ「水を分ける」ことから始まるのか
メソポタミアでも、エジプトでも、この日本でも、世界の神話はそろって「最初は水だった」と語ります。どうして? 世界中の創世神話を読み比べて、本紙だけの失われた元神話〈もとつ水〉を、ぼくなりに組み立ててみました。
渡りきれない横断歩道 — 「アシナシ様」観測報告
深夜2時、白線が一本だけ増える横断歩道の噂。その正体は、この町が舗装の下に埋めた「橋の神様」への、忘れられた通行料かもしれません。